外典
土門美紀 世界樹を表す少女。世界構築者の加護を受けた血筋であり、世界の中心である。
天野昇 遥か天井を目指して石を積み続ける修行者を表す。光帝、少しだけ未来へと進んでしまったモノ。
赤城潤轍 敗北者、第二次世界大戦の日本軍空母より。湿気の有る失敗と言う不幸な名前を与えられている。親は潤いの有る人生を送り、人の道を外れないように(線路の『てっさ』)と名前を付けたのであろうが本人はそうとは思わず自爆。科学と魔術の両方を扱える反則キャラである。別のルートの主人公であるが、あちらとこちらとでは性格が違う。あっちのラストはハッピーエンドなんだから。

最古の十一人の遺産
魂の台座 永久不滅の精神保管機。ド・ウルナ・ラーの全ての力を司る。
対極の記 二つの対極し合う属性を持ってしまったモノを表した約一万頁の書。
冥府探求 死を体験し、克服したモノの残した宝玉。
魔法樹 別概念により自己結界を形成し、魔法を具現化させる法が記された書。
最終戦争の書 天空より堕つるモノを基盤とした魔道書、封印された禁術である。
超電脳機関 魔術、魔法を一切使わず創られた新しい神様。
狼王剣 狼の王様が使った魔法剣、刃は毀れず、歪まない、全てを断ち斬る。
霄漢の翼 魔力を使わずに使用することが出来る重力制御システム。
現実破壊 魔道媒介であり、逆魔術兵装、強力すぎる魔力を制御する。
分裂の秘儀 複数の肉体を生み出し、それに精神を与えることが出来る。
精霊王誓約書 世界に存在する精霊王にアクセスする絶対権の証。

メモ
魔皇とは本来、魔を極めたモノに与えられた最高の称号であった。しかし、時代に流され幾万年、仕様用途は変わり、畏怖の対象となったのだ。初代魔皇アルセインは今、どういう心境であろうか。

三次元世界で神としての力を奪われ、人間へと成り下がっている。(一般人の遥か上に行く事実もあるが)記憶も失っており、事実を知るモノは居ない。死後、通常世界へと戻った。その原因は不明とされる。(新たな神の候補に対する試練であるとも考えられる。)

最古の十一人の他にも神は居るとされるが、それが本当か定かでない。

ここでは最古の十一人を神と称しているが、それは適切ではない。ただ我々人間よりも高位次元に存在する生命体なのである。例えばド・ウルナ・ラーは人間よりも人間的だ。孤独を恐れ、悲しみに打ちひしがれ、そして遂に心を生まれしモノと出合った。その時に彼が流した涙は純粋なまでに美しかった。が、『神』への反逆により、処分されたのだ。そう、最古の十一人とは三次元上においては神に値する存在であるが、それよりももっと高位次元に行けばただ、創られた存在なのである。彼等を創った『神』もまた、《神》に創られた存在であろう、そして・・・・・。神は神であるが故に神ではない。存在する時点で神と言う概念に矛盾が生じるのである。しかし、それは人間が幾ら考えたところで分かることではないのだ。
肉体に浮き上がるは地上最古の魔法陣
(からだ)
精神に浮き上がるは異界の魔皇連繋陣
(こころ)

右手に剣を持ちて
  (つるぎ)
左手に銃を持ちて
  (がん)

美しい背中に翼を背負い

禍々しい程に光る眼に呪いを彫り込み



―――――其れは現れた

 超S級戦犯『赤城 潤轍』

  魔と科学の混血児

   世界最大級の異端者

    世界を裏切り堕ちたモノ


唯の一つの枷も無く


絶望の底に住まいし日々



我は世界を喰らう


我は―――――皇。
近距離型魔術装填銃壱式
 掌サイズの十弾装填銃
火薬を使用しないない故に暴発の恐れも無く
認識をしていないモノには使用不能
簡易思考回路を搭載しており敵の捕捉を行い易い
しかし、発射速度が遅く連射性能が悪い上に破壊力が無い

近距離型魔術装填銃壱式改
 基本的には壱式と同じであるが、装甲貫通弾を装填可能と成った

近距離型魔術装填銃壱式改GF
 装甲貫通弾零型を装填可能になり下級精霊の加護を得た魔銃
しかし、精霊を現世に実体化させる程の魔力を持てない

近距離型魔術装填銃弐式
 掌サイズの六弾装填銃
簡易思考回路を排除し威力に重点を置いた
其れは厚さ1.5メートルの鉄塊をも破壊する
しかし、反動が壱式の数十倍にも達する

近距離型魔術装填銃弐式改
 弐式に簡易思考回路を搭載
反動を和らげる特殊構造を持つ事となった

近距離型魔術装填銃弐式改BR
 恐ろしい程に攻撃力を上げた魔銃
悪魔と呼ばれる異界の住人と契約し弾丸を発射する
契約の代償は当然魂の欠片である

近距離型魔術装填銃参式
 掌サイズの無限装填銃
威力は壱式の上を行くが弐式には到底敵わない大自然より力を生む魔銃
思考回路を搭載した撃滅モードは全てを殺傷する
ある意味理想的な銃ではあるが射程が10〜15メートルと狭い

近距離型魔術装填銃参式改
 射程のモノ全てを音無く消し去る殲滅の魔銃
思考回路は外され代わりに高圧縮された魔術陣が描かれている

近距離型魔術装填銃参式改FL
 近距離型魔術装填銃の最終形態
人外のモノすら一撃の下で吹き飛ばす
失われた魔法陣が彫り込まれている
  ―――今、この時は始まりで終わり。
 
 
 錆び付いた時計の針のように、運命は時を刻んでいく。刻まれる針の根元からは、いつも悲鳴が聞こえる。
 
 
   始まりとして受け取るか、終わりとして受け取るかはあなた次第。
 
 
 いつからその時計はあるのだろう。いつからその時計は時を刻んでいるのだろう。
 
 
   あなたが生きるのなら、全てをあなたが決めなければならない。 
 
 
 ―――時計は、時を刻むものだから。

1.

世界は二つの顔を持っている。
科学が全てを支配する現実、魔が全てを制する現実、合間見える事の無く同じ処に存在する世界。
例えるならば水と油、決して混ざる事の無いモノ。
ちなみに俺、こと赤城 潤轍(AKAGI JUNTETSU)は有り得るはずの無い中間に属するモノである。
父に科学者を持ち、母に魔術師を持つ、我ながらかなり異端っぷりだと思う。
二人も結婚するまで其の存在に気付かなかったと言う恐ろしい程の天然だ。
故に二つの特性を持つどっち付かずの中途半端な存在、どちらかと言うと魔のサイドに属している。
近代的な武器と魔術と行使するが故に未だに魔導士である。
そうでなくても肩身が狭いのに此れ以上落魄れる理由も無い。
昔、俺の様な異端者が居たらしいが、其の人はどんどん上に上り詰めたらしい。
こりゃあ、才能の違いだと俺は思うんだ。
二つの特性を持つと言う事は両方の力を半分ずつ受け継ぐと言う事。
つまり、とっても中途半端って事だ。
近代兵器と魔法の融合、其れを実現できたならば最強の力と成す。
しかし、是が出来ないが故に落ちこぼれ、悲しいかな魔道士。
これっぽちの才能も無く、雀の涙程の魔力(ちから)で是からを生きていくとなるとかなり難しい。
父の後を継ぎ科学者に成れば良いのだろうが、是もまた才能が無く難しい。
世界を読み取る事の出来ない俺には世界は途方にも無く大きすぎるのである・・・・・。

ドガッッ

鈍い音がする、棒の様な硬い物質が背骨に直撃した音だ。
其の場で俺は悶絶し、意識が飛びそうになった時に声を掛けられた。
「貴様!訓練の最中に何を考えている!?其の詰めの甘さが命取りとなるぞ!!」
女性(おんな)の声だった、嫌でも忘れない程に脳に刻み込まれた聞き覚えのある声だ。
「何時までも魔道士をやっているつもりか?精神を鍛える事は肉体も鍛えなければならない、其れは魔力強化へと繋がる事だ。」
とても怒っている様だ、思考が停止しかけている頭でも理解できた。
「貴様はこのまま負け犬として過ごす気か?貴様が良いならば良かろう、之だから混血(ハーフ)は・・・・・。」
魂が沸き上がった、怒りと呼ばれる感情が起動する。
「はぁ・・・・・ふで・・・あることは・・・関係、無い・・・・・です。」
鋭い痛みが背からする、とてつもなく痛い、しかし両足で立ち上がる。
「立ち上がるか、赤城、御前は何時まで魔道士をやっているつもりか?」
其の言葉は心にグサっときた、辛く、痛々しい言葉だった。
俺だって別に好きで落ちこぼれているんじゃない、そう好きでやっている訳じゃない。
「このFUCKで腐れ野郎が!貴様、其れでも男か?其の股に付いている棒は(以下略)」
さっきの何て比に成らないほどに腹の底から怒りが沸き上がった。
「俺は、男です・・・・・。」
其の反応にムッ、としたのか女性は直ぐさに言い放った。
「其れが教官に対する口の聞き方か!?この蛆虫め!!」
またしても痛烈なお言葉、胃にオゾンホールが開きそうになった。
頭がくらくらとする、鬼のような形相で睨まれ、罵倒され、高が女一匹に・・・・・。
しかし、自分には其の女性を越えるだけの力を持ち合わせていない。
勝てない事は百も承知、ならば奇襲を賭けるか、と言う結論に達する。
咄嗟に眼を見開き手元の棒を持ち振り翳す。
しかし、まったく手応えが無い。
次の瞬間、世界が消えた。

2.

次に眼を開いたのは翌日の朝であった。
昨日俺は凶暴な、もとい腕の立つ御姉様から強烈な一撃を喰らって精神を何処かに吹き飛ばされてしまったのである。
首筋が痛いが、自業自得である故、文句の一つも言う事が出来ない。
自分のベッドの中で自虐的に溜息をついた。
何時の間にかパジャマに成っているが、今は気にする事は無いだろう。
また深い所に降りたい、と思ったが時間的にも余裕が無い故に外に出る。
外は冬である、当然布団から出ると寒気が一気に来る。
毛布が恋しく成りそうな寒さである。
鼻がむずむずするが、生憎ベッドの上のティッシュの箱の中にはもう紙が一枚も残っていない。
我ながらついていないな、と思った。
着替えた方が幾らかは暖かいだろう、と思いクローゼットに歩み寄る。
中には今風の若者が着る様な服が沢山掛けてあり、奥の方に申し訳なさそうなくらい縮こまって学ランが掛けてあった。
ワイシャツの袖に腕を通す、直ぐ様着なければ冷気で身体が震えるだろう。
冷たい、そう思った。
冷蔵庫の様なクローゼットの中で熟成させていた服はとてもじゃないが着れたものではない。
コタツが有れば其の中に突っ込んでおけるのだが、自分の部屋にはその様な便利なモノを置いてはいなかった。
今度購入してやろうか、と思ったが現在の自分の財布の中は外の気温以上に寒く、氷河期に突入しようとしていた故に断念せざるおえなかった。
ドアノブも冷え切っており、手が悴みそうであったが静電気が来なかっただけでも運が良いだろう、そう勝手に自分で納得する。

己以外の気配は無く、寒々しい、孤独を思わし廊下は静まりかえっている。
ダイニングには誰も居なかった、ただテーブルの上に何時も通りに朝食が並べられているだけである。
其れを零さない様に電子レンジへと入れて暖めるだけの食事。
無機質過ぎる様に時は流れ往き現実を認識する。
昔、夢見ていた。
両親、そして自分が揃って食事をする事を。
しかし、其れは遠すぎる幻想、片方と会うにも相当な苦労をしなければならない。
両親をセットで見たのはもう彼是数年前であろう。
俺の誕生日、魔術師として認識する洗礼の日。
科学を父に持ち、魔術を母に持った日。
其の日は興奮して夜も眠る事が出来なかったのは言うまでもない。
鍵っ子であった自分がTVで観たアノ魔法を使える、のである。
だが、しかし其れは淡い幻想に過ぎなかった。
魔法は恐ろしい程に高位なる存在にのみ許された禁域。
魔導行使すらまともに出来ない第五世代、其れも混血成りしモノには到底身に余るモノ。
無駄な事を考えている内に食事が温まった様である。

―――――走り抜ける。
見慣れた風景が飛んで行く様に流れている。
自主トレーニングを兼ねた自宅から学校への登校風景である。
学生服で、其れも高校生タイを塗り替えそうな勢いで駆け抜ける俺は宛ら珍妙に見得るであろう。
しかし、観客は一人も居ない。
寒々とした田舎道を行き交う阿呆は如何も俺以外には居ないらしい。
土埃が舞い黒い学ランに散る事も気にせずに突き抜ける。
魔術も科学も基礎が成っていないと己が身を滅ぼす諸刃の剣。
故に身体を強化しなければお話にも成らないのである。

序文、多分ヴァル殿の作ったヤツ?俺シラネ(渡された
一部用語はフェイ殿作成
第三幕 -決戦-
アルセインは敵師団を発見し其れに接近する。しかし、あちらもアルセインに気付いたらしく鬼の様な弓の束が飛んでくる。
相手には探知系統魔術と魔眼系統魔術を持つ優秀な弓兵が居るらしい。これは相手を見下し油断したアルセインのミスである。
が、例えそうであったとして負ける要因が無い。故に・・・・・焦点を集中させ地形に変化を与えず複数の個体を即座に撃滅する。
ナルシュは破壊力こそあれど個の様な繊細な魔を使いこなす事は無理だろう。コレは才能の問題では無く、どれだけ熟練されたか、である。
騎兵が来る。騎士として叙勲された時に承れる聖なる槍、ホーリーランスを持ちて。其れを素早く交わす。
―――――殲滅。
聖なる力で加護された武具を魔術は貫通させる。弱くは無い、いや、強いはずだ。だがアルセインは常識を逸脱していた。
何もかもに置いて。其れは40代に差し掛かった漢の見せる動きでは無い。
そして見つけた。敵将を・・・・・。
―――――アテナ=シュタインドルフ
女性でありながら竜を操るドラゴン・マスター。シャルディ皇国の司令官代理である。
倒さねばなるまい。カレルシュタイン城に近づく為にも絶対に倒さなくてはならない相手である。
アルセインは、竜か、そう舌打ちする。竜は人を超えた生物である。倒せない事は無いのではあるが。
そして踏み出す、魔道書により生み出された魔力爆雷が彼女を襲う。
が、相手も歴戦の戦士、マルスが急上昇しかわされる。その瞬間風を斬り裂き槍が飛ぶ。
危く頭が飛びそうになったがかわす。認識する。彼女は・・・・・強い。
力は五分五分である。しかし、持久戦は生命力を激しく吸取る禁断の魔道書を使うアルセインが不利だ。
此処では負ける事が出来るはずも無くアルセインは残り半分の生命力を賭け辺り一帯を無差別破壊する。
が、遥か天空に舞い上がる彼女には当たらない。急激なストレスがアルセインを襲う。

第四幕 -終焉-
苦痛を洩らす、其の瞬間隙が出来た。躊躇無く彼女は槍を飛ばす。
そして、其れはアルセインの心の臓を貫いた。帝國の終焉である。
血が逆流し時の流れが遅くなる。頭の中に意味深な文字列が並ぶ。が、何故か其れが読めた。
具現化させる。探求者が始めて使った魔法、そして最後になった魔法。
知識を・・・・・ナルシュ=ナリュセルトへと飛ばす。





漢は停止した。





ホーエンツォレルン城は一瞬にして溶解する。

終幕 -大地-
無限とも言える程に広がる高原の大地。
何もかもが馬鹿らしくてアルセインは其処に横たわる。
自分は何故ここに居るのだろうか、其の疑問さえ如何でも良かった。
アルセインは目を閉じた。永くも短かった人生の中で唯一の安らぎ。
目を開ける時、世界は如何なっているのだろう・・・・・・。




「卿まで遣って来たのか。」
懐かしい声が聴こえる。
「何時まで其処で横たわっているのだ。余は世界の統一をまだ実現しておらぬのだぞ。」
凛と、緊張感を与える。
「まぁ、良い、卿も疲れておるか・・・・・また起きた時、神々を一掃し帝國を築き上げようぞ。」
そして・・・・・アルセインは再度始まった。
アルセイン・シナリオ最終章

序幕 -決意-
ホーエンツォレルン城の隠し通路を通りアルセインは即位後新設された地下室に来ていた。
其処はとても狭く窓が無い為手元の魔術の光が無ければ漆黒で覆いつくしていただろう。
床には陣が構成され中央には本が置かれている。これはアルセインが自らの魔力を封じた魔域である。
戦略用兵器としても使用できるが、其の意思はアルセインには無い。寧ろ陣より中央に置かれているモノが危険である。
ハルマゲドンの魔道書の真典、遺失されたと言われる幻の書物。神々の堕としたとされる其れは危険極まりない。
故にとある塔に封印されていたのであったがどこぞの娘が持ち帰ってしまったのだ。
アルセイン自身、この如何し様の無い魔力に対抗する術も無く手元には偽典を手にしている。
真典とは若干構成が違うだけだがかなりのマイナーダウンが施されている。
そしてアルセインは真典に最後まで手を出すつもりは無い、悪魔で情報の消滅を図るのである。
帝國が誇った軍事的要素が大陸に流失すれば永遠の戦へと歩み始める事となる。
何処の勢力にも力を付けさせない為にも城を溶解させる最終手段である。
アルセインは道化として半生を生きた。其の償いをするべく刻が来たのである。
簡単に負ける気は無い、もしかしたら勝てる可能性すら有る。
アルヴィスと戦を交えた時の様な力さえ出せればであるが。彼奴とは一勝一敗の間柄であった。
其の好敵手の死を知りアルセインは弱体化した。精神の衰弱は魔的なポテンシャルも下げる。
そして、アルセインは道化となる。賭博に溺れ、道楽を繰り返す。まさに遣りたい放題である。
其の長くに渡った沈黙も解凍されし時。
―――――ENDLESS BATTLE
アルデバランの壁画の伝承に有ったと記述された神話の時代の戦。
永遠に続くとされ、神々の滅びた後現在に至る。
帝國の歴史は戦争の歴史。絶対の正義であり絶対の悪である。そして其の歴史も途絶える。
異境生まれの皇帝の手によって・・・・・・。

第一幕 -余暇-
アルセインは本人の意思に関係無く装飾で埋め尽くされた悪趣味な皇室の中で唯一簡素にして素朴な椅子に座り手には銀色の樹の細工が施された懐中時計を弄んでいた。
戦略発動数時間前だと言うのにする事も無く最後の休暇をのんびりと過ごしているのである。
戦力差は語らなくとも敵軍が優勢。負け戦確実である。しかし、其の様な態度を自軍の前で見せられる訳も無くこうして部屋に閉じ篭っているのであった。
先程、アルセインの愛娘、ナルシュが異議を申し立てて来た。私にハルマゲドンの魔道書真典を使わせてくれ、と。
ナルシュならば魔道書の魔力を掌握する事が可能であろう。だがアレだけは使わせる訳にはいかない。
通常時よりタロット・カード以外の魔術の使用を禁止している。魔に魅了されない様に、魔に魅了されたモノは人でなくなる。
其れはアルセインにとって本意では無い。故に説得した。ナルシュは納得しない、と言う顔をしたが渋々と部屋を後にした。
不謹慎にも賭博をしたい、そう思った。苦笑した、其れは幼き頃に最も憎んでいたモノであると言うのに。
国を出奔した時に金に困り仕方なく覚えたのであるが、現在は趣味となっている。
だが今は皇だ、自重しなければならない。最後の最後位、皇でなければ先帝に申し立たないと思ったのだ。
先帝、恐らく神の領域に達する事の出来た最高の武人、神に愛された故にヴァルハラへと招かれた鬼才。
幾度と無く帝國に被害を加えたアルセインを寛大な心を持って受け容れた。
何時か必ず・・・・・倒そうと思っていた。しかし、毒牙を抜かれてしまったのである。
そして帝國に仕えて数年の歳月が過ぎ、先帝死す。其の影響により各地で蜂起が起こる。
帝國の支配は先帝に対す畏怖によって成立っていたのだ。
が、あっけなく其れを迅速に鎮圧、其の功績により異境の没落貴族は皇帝となった。

第二幕 -開戦-
塔の鐘が響き渡る、進撃の刻である。恐らくアルセイン=ナリュセルトとしての最後の戦いである。
軍馬の轟く様な足音が城下の道路を唸らせる。ついに其のベールを脱いだ黄昏の騎士團である。
魔的ポテンシャルが長け、武術に置いても最高、そして戦場にて生き残る事が出来る精鋭のみで部隊された最強の騎士團。
今回は帝國の姫君、ナルシュ=ナリュセルトが長となる。美しく華やかにして機能的な鎧を纏う騎士團。
其れは戦場で目立ち、其れは己の腕に対する誇り。魔術添加により鎧は驚く程軽く魔術障壁も随時展開されている。
故に盾は不要、右手には魔道媒介を持ちて、左手には得物を持ちて、魂には正義と悪を持ちて。
そしてアルセインは王で有るにも関わらず単騎で戦場を駆ける。多寡が雑兵如きに負けるアルセインでは無い。
黄金の魔法衣を着、右手に魔道媒介【偽典・ハルマゲドンの魔道書】を持つ。
永き夢から醒めて・・・・・魔皇となる。
最初の騎影が見える。アルセインは残像も無く生涯で最も早く身体を動かせる。
音速を軽く超え血飛沫も出させず人で有ったであろう物体を破壊した。
竜牙兵と人の混合物体、合成獣、【キメラ】と呼ばれるモノだ。大昔の戦で用いられたと言うおぞましき其れ。
アルセインは困惑する。この様な卑劣にして神の領域を侵食した行為を各国の王が許すはずが無い。
ならば其れ等は何処より現れたのであるか。問いは簡単であった。
己の持つ魔道書の記憶。偽典であるとは言え神々の所持物。マスターの死期を悟りENDLESS BATTLEを見せ付けているのである。
もう二度と放たれてはならない魔獣・・・・・。
色々な雑念が脳裏に過ぎるが其れを吐き捨てアルセインは本来の、真実の敵を見定める為に再度走り出す。
グランベル帝國の現皇帝。究極の有を追い求める探求者でもある。アルデバラン貴族の家にアルデバラン暦1023年冬の月32日に生まれる。しかし父の賭博の大敗が祟り領地を失い没落する。そしてアルデバラン暦1035年春の月12日に国を出奔し各国を転々としアルデバラン暦1038年夏の月40日にアルデバランに帰国、そして一般兵として軍に入り武勲を立て元帥となった時クーデターを起こし旧体制を打破、アルデバランの国王となるアルセイン=ナリュセルト24歳の秋の事であった。が、しかし魔道都市オーフェリア首長アルヴィスにより古代王朝アルデバランは1047年冬の月40日(アルセイン=ナリュセルト 26歳)に滅ぼされる。1000年王国と謳われたアルデバランの崩壊である。その際にアルセイン=ナリュセルトは敵の目を掻い潜り隠し通路より居城より脱出、驚くべき事にオーフェリアへと潜入しアルヴィスを快く思わない魔術貴族の支援を受けレジスタンスを掻き集めオーフェリア各地でクーデターを起こしアルヴィスを追放。アルセイン=ナリュセルト、29の秋の出来事であった。が、しかしアルセイン=ナリュセルトにも想像の出来ない出来事が起こった。アルセイン=ナリュセルトの娘と名乗る存在が現れたのだ。その名もナルシュである。彼女は14歳にして魔術を掌握し魔法を具現化させつつあり天才アルセイン=ナリュセルトを唸らせる。しかし、アルセイン=ナリュセルトは頑として其れを否定、計算から分かる事だが14の時に発芽させてしまった種で若さ故の過ちである。その後、大陸最大の迷宮より天空より堕つるモノを回収、魔術協会の協力の元、禁断の魔道書たる神々の終焉を表す最終戦争の魔道書を復活させる。そして魔道都市オーフェリアにも終焉が訪れる。ヴァン・ハイリヒのマケドニア騎士団により滅亡させられたのである。アルセイン=ナリュセルト、33の冬の出来事であった。そして燃えさかる野心も隠さずアルセイン=ナリュセルトは帝國の軍門へと下る。が、予期せぬ事態が帝國を襲う、名将アルヴィスの戦死、アルセイン=ナリュセルトへ衝撃を与えた。後を追うようにグランベル帝國皇帝ヴァリュンハルト崩御、帝國本土に戦火が飛び火し内乱が起こるがアルセイン=ナリュセルトは速やかに鎮圧した。皇族の血も途絶えこの功績によりグランベル帝国議会はアルセイン=ナリュセルトに全指揮権を委任。アルセイン=ナリュセルト(35歳)は過去を抹消し皇帝となる。 そして3年後、運命の刻は来た大陸戦争の勃発。帝國26代目皇帝アルセイン=ナリュセルト、アテネ=シュタインドルフにより其の命を屠る。ヴァルハラへと招かれる。享年38歳であった。

某EBSより
奇怪な日々 1st chapter vol.0

多重投影における魔術依存の症状、其は夢により具現化された幻影でありながら現生化を許された虚霊である。
蓄積された執念は時として現実を侵食する魔法と成る。
永遠とは終焉を持ってして始めて其の意義を与えられる螺旋矛盾であり、歪曲した運命なのである。
遠い、遠い、時、亜空間の狭間より生まれ堕ちた歪な化物は笑う。
世界を喰らえと本能の儘に、粛清せよ、粛清せよ、粛清せよ粛清せよ粛清せよ粛清粛清粛清粛清しゅくせいしゅくせいしゅく・・・・・。

―――――多重身影者

己の中に幾つかの身体を持つモノを指す。
世界のありとあらゆる概念を超越した存在でありながら、世界に認識されない身体を持ったモノ。
しかし、精神は一つであり、現れるのは一度に一つまでと言う制約が掛けられている。
先天性とも後天性とも言われているが、実際の処、この症状についての試験体が皆無に等しく、情報が一切無い。
心象具現化によって護り神を実体化出来る。
日常生活においては問題無いが、突如其の身体を変貌させる事がある為、注意が必要。
変化する時は決まって頭の中がもやもやする感じがすると言う。
身体の切り替えはスイッチを入れ替える様なモノであると言われ、本人の意思で行う事が可能。


アーク=パンドラ=ゲノム


聖なるモノでありながら、邪なるモノ



最後の絶望は希望
魔法少女マジカル・アルト 1st chapter vol.0

完全武装された魔法少女は天を舞い、悪を撃滅する。
「朱なる煉撃、ブラッディ・ロード!!」
「琅玕の潰撃、シー・ヴォッチャー!!」
魔力は無限であるにも関わらず、魔術行使、魔法行使は全くを持って才能を示さず。
宝の持ち腐れとされ、魔法機関的扱いをされるのを必至とされたが、魔術兵装は彼女を補うべくして異界より転送された。
『リアリティ・ブレイカー』
現実を侵食する意を表す。
『アルト・フォトン』
この物語の主人公の名、『超純正魔法少女』


「大いなるフォトンよ」

「其の光の加護を持って」

「私に進化の証を」

「与えたまえ」

フォトン・ベルトは世界に変革を齎すか?
ド・ウルナ・ラー(異界の神・絶対生物)
レーラン(異界の神・混沌)
アルセイン=ナリュセルト(天界の魔皇[初代魔皇]・魔法使い)
ナルシュ=ネルガル=ナリュセルト(異界の魔女・魔法使い)
シュバルツ=バール=フィールデン(異界の魔皇・最終戦争の魔道書を所持)
羅王 妖楼(並列世界の科学者・突然変異)
ザイア=シュギ=ラース(異界の剣士・剣狼)
サリナ=リナース(天界の女神・有翼種)
アルト=フォトン(異界の魔法少女・リアリティ・ブレイカーを所持)
アーク=パンドラ=ゲノム(異界の旅人・多重身影者)
フィリウス=エレメンタル(天界の精霊王・エルフ)

アレだ、『輝ける其の刻に…』のネタだ、うん
(かんなり流用ではあるが

求めしは「 」

2005年2月13日 思想
黎明の刻

其れを封じ込める代償は大きかった。
散らばる骨、骨、骨・・・・・
血肉は全て其れに喰らいつかれ、既に現世には存在しない。
其れは俗に言う所、吸血鬼であった。
現在、世界に残る其れに対する抑止力は皆無と言って等しい。
科学が魔法を勝った時、其れ等は消え去る運命だった。
よって、其れに対する抑止力も解体、世界は安息の平和へと向かうはずであった。
しかし、甦ったのだ、吸血鬼は・・・・・。
いや、地下に潜伏していたのが、地上に這い上がって来ただけの事である。
其れによって、12の都市が壊滅。
内、7都市はゴーストシティと化した。
たった一基の吸血鬼によって行われた災害である。
人よりも早く、人よりも強く、眠る事も知らず、疲れる事も知らないエンジン。
ただ燃料がヒトなだけである。
対吸血鬼の業は失われて幾百年。



地平線より、日が出。
ヒトは勝利したのだ。

―――――そして、戦いの夜明けへ

人間

2005年2月7日 思想
俺は別に差別なんてしちゃいねぇ
俺が其れを家畜扱いをしているとしたら其れは人の形をした肉塊だ
其れは人間じゃない故に差別へは繋がらない
障害が如何のこうの何て知ったこっちゃない
豚共のざわめきだ
俺は生まれてこの方、差別なんてやっちゃいねえ
そう見えたとしても其れは肉団子だ
知ったこっちゃねぇ

他力本願、自分自身の言い分のみ言い放つ糞蟲共は其の存在自体が万死に値する

命なんてもんは平等に出来ちゃいねぇ



嗚呼、また毒垂れ流し気味だな

(英?の教科書のLesson8を読んで
空は高かった。蒼いペンキに白をぶちまけた天空は既に黒く染まり上がり黄金の魔術媒介が浮かんでいる。

―――――最終決戦は始まった。

全ての反魔術援護の殻を外され、機械的な翼を持った魔法使い。
現実を逸脱した魔剣の刀身は月光を浴び不気味に光っている。
月のシステムを完全停止させる鍵であり、対魔皇の抑止力である。
「打っ殺してやるよ、魔皇!」
虚空に向かって男は叫んだ。
別に世界に対する愛着なんて無かった。
けれども、魔皇によって全てを終わらされる事は如何しても受け容れる事が出来ない。
何故ならば男は自らが神に成りたかったからである。
「過去、現在、未来、世界、次元、楽園、地獄、永遠、虚無を超越した我が最後の願いであり我が血肉で構成された祭剣(魔法機関)に太刀打ち出来ると思っているのか?」
魔皇は其れに答える様、言い放った。
そして、空を蹴る。
人の眼では捉える事が不可能な速度で飛び掛る。
二つのモノの制空権がぶつかり合い、宇宙に有り得る筈の無い音が響きあう。
剣同士の共鳴は辺りの星々を襲い、天変地異を巻き起こした。
そんな事は如何でも良くて、二つの強大なる有は我をも忘れながらぶつかり合う。
世界は、滅びの道を辿るであろう・・・・・。
-end of world- 1st season vol.1

何時の間にか俺は存在していた。
神様が創ったんじゃない、父親、母親、そして其れ等の父親、母親、更に・・・・・と続く連鎖の末生まれた。
之が普通の人間だ、しかし、俺は異なっている。
神代の時代、神々に陵辱された一人の少女が居た。
其の血を受け継いだ一人が俺、最も其の血を強く受け継いだ魔術師の家系。
魔術師の証たる紅い眼と髪を染め上げ黒くしているが、溢れんばかりの其の異質な気は隠す事が出来ない。
俺はこの世界に置いて異端だった。
街を忙しそうに歩く人間達と決して交わる事の無い路線に乗ってしまった。
いや、乗ってしまった、ではなく、存在する時既に乗っていた、の方が正しいであろう。
別次元の血は三次元のモノには重すぎた。
子供は奇形、突然変異体、人ならざる存在と化していた。
生れ堕ちた時より歯が生え揃い、髪も生えていた。
異常な程、髪と眼は紅く、本来人に存在しない様な色素であった。
俺は其の末裔の一つ、人外の化物。
数代に渡って発生しなかった異端が俺の代で発生した。
生まれながら自分が何なのか知っていた。
知りたくもなく、こんな形で生まれたくなかった。
そう、何もかも忘れたかった。

リリリリ、リリリリ、リリリリ・・・・・、
部屋中に電子音が鳴り響く、しかし、其れが何なのか分からない。
朝は苦手だ、思考が鈍くなり勝ちである。
それでもって、嫌な夢を観た朝は余計に鈍くなるのだ。
手探りで発信源を探しだす、プラスティックの冷たい感触がし其の突起物を押す。
「朝・・・・・・・・・・・か。」
口の中で欠伸を噛み殺したら眼から涙が滲み出た。
まだ眠い、けれど此処で眠ってしまったら・・・・・負けだ。
パシパシ、っと自らの頬を打つ。
痛みで眠気が微かに消し飛んだ。
一人暮らしの男は再度眠ると言う事は恐ろしい事態を巻き起こしかねない。
嫌な言葉が脳裏に過ぎる、遅刻。
学生にとってかなり嫌なペナルティーの一つである。
之が目立つ様になると体育教師達の巣窟へと足を運ばなければ成らなくなるのだ。
あそこは人界ではなく魔界、筋肉戦車達の蠢く強烈且つ絶対的恐怖の象徴。
たった一回の一対一の話し合いで更生不能な不良をがり勉へと昇華させた。
その様な所で自我を保っていられる人間はよほど神経が太いのか精神構造が違うのか、己の意思が最も強いのかの何れである。
俺にはきっと耐える事が出来ないであろうから、絶対に無遅刻をし様と決めたのである。
直ぐに行動に出る事にした。
トースターに一昨日買ってきた半額セールで賞味期限切れが昨日切れた食パンを突っ込み、其れと並列作業でベーコンエッグを焼き始める。
本の僅かな時間で食パンの焼ける香ばしい匂いが部屋中に漂う。
マヨネーズを塗り付け、良く胡椒を振付けられたベーコンエッグを乗せ、口に運ぶ。
賞味期限が過ぎているものの味は変わっておらず程々にイケた。
そんでもって歯を磨き洗顔をする、着替えは何時もの所に掛けてあり少しくしゃくしゃに成り掛けている学ランに袖を通す。
之で準備万端である、時間にまだまだ余裕が有るしテレビの電源を入れた。
時間が有る朝、決まって見るニュースが映し出された。
すると母校の中学が全焼した、と言う事が報道されていた。
昨晩遅く、サイレンが鳴っていたのはこのせいであったのだと初めて気付いたが、その様な些細な事は気にしない。
特別愛着が有った訳でも無いし、良い思い出が有った訳でも無い。
気を許せる後輩が居た訳でも無い訳であるからだ。
何でも放火であるらしい。
物騒な世の中に成ったものだ、何て俺が考えて良い筈が無いのだがな。
この街に置いて一番物騒なのはきっと俺である事は間違えないからである。
夜であった事が不幸中の幸いで死傷者所か一人の怪我人も出していない様である。
しかしながら、まだ鎮火して間も無くであり捜査も初期段階である為、安心するのは未だ早い。
画面の時間を見ると丁度良い頃合に成っていた為、テレビの電源を消して家を出る事にした。

Sweekfee テラ篇

2004年11月13日 思想
-end of world- 1st season vol.0

世界は此処で始めて正常を取り戻した。
いや、この表現は確かではない、訂正する、世界は此処で始めて正常を生み与えられた。
十七次元よりも高位次元からの干渉は世界を独立化させたのだ。
其れは三次元であったこの次元を十七次元へと並列化させたと言う事だ。
其の次元に存在しているが、其の次元とは交わらない新たなる段階である。
今はその様な事は考えるべき時では無いであろう。
只、神からの分離を喜べば良いのだ。

神代の記憶も薄れ、魔法を忘れた人々は世界を生きていた。
神秘と呼ばれるベールは世界から解き放たれ科学のはこびる廃棄された楽園。
誰しもが夢や希望を持ちながら其れを秘匿し、其れを偽って生きている。
現実は有り得ない形を許さない、そう、決してだ。
世界の住人の誰しもが思っていた、どの文明の歴史書にも記されている神の項目は当てに成らないモノだって。
しかし、違っていたのだ。
高次元生命体、十七次元より遥か高みより俺達を見続けるこの次元における神に値する存在。
ただ、思っただけで世界に影響を与える汚染物質。
動作どころか言葉のみで全てを超越し、逆らう事すら許さない絶対的存在。
下位世界に置いては絶対生物と成る、連鎖する世界が存在する所以。
世界は合せ鏡の様に存在し、何時まで経ってもZeroが無い。
唯、一寸の無も無く埋め尽くされた有の世界はとても美しく、何も無い。
有ると言う事は始まってしまった故に終わると言う矛盾が発生、消滅、世界の死、無への変換。
魔法を許さないこの世界に神は或るモノを叩き込んだ。
其れは祭器と呼ばれ何時の日かこの世界の住人が上に浮上する為の希望。
選りすぐられた太古の昔、神々に陵辱された血族達は殻を破り去り魔を具現化させる。
この時、之は魔法では無い為、定義としては魔術と呼ばれる。
通常世界では具現化不能な魔を別次元を経由し発動させるKeyWord、月と呼ばれる太古の時代に打ち揚げられた人工衛星は異界であり、魔術変換装置。
太陽と呼ばれる魔法機関は燃焼のみに特化し、世界が滅ぶ其の日まで燃え尽きる事は無い。

堕ちた世界に魔皇は降臨し、人類の上に君臨するれあろう。
人間であった其れは禁術に触れた証とし肉体を魔界とする。
魂が分裂し新たな世界を形成するに至り、不要と成った世界を明日の糧へと喰らい潰す。
祭器すら不要で、新たな段階へと進むのだ。
世界への冒涜であり、其れは万物に牙を剥く事、生み与えられた恩恵に逆らい生みの親を殺す、親殺しの汚名。
まともな神経も通っておらず、待っているのは精神崩壊、夢を観た魔術師の成れの果て。
其れはもう既に魂を持たない骸であり、人類の柩。
暗黒を夢観た人間の成れの果て、救われる事のない踊る肉塊。
世界を終わらす事のみで救われる運命であり、始まりの人と成るモノ。
しかし、人はこう呼ぶ、神と・・・・・。

まぁ、気にするな

2004年10月31日 思想
ネットワーク中毒者達の宴

 二十世紀も終わり二一世紀となった今、世界中はネットワークで繋がり情報化社会へと変貌を遂げた。其れに伴ってネットワークに依存する人間も発生し一種の社会現象となっている。そんな時代を生きる一人の少女、菅原栄子、昼は学校に通う普通の高校生、夜は其の筋の人間に最も有名とされるサイトの管理人。彼女は時代を如何生きるのか?電波が飛び交うこの町で・・・・・

        File.1

 窓のカーテンの隙間より太陽の光が差し込む寒い朝、マンションの一室に電子音が鳴り響く。少女はベッドでモゾモゾと頭の上の方にあるはずの音の発信源を止めようと手を伸ばし手探りで其れを探す。カチッ、とスイッチを押し厚い毛布の中に手をまた戻し安眠を再度貪る。これは無意識化の出来事であり、この後彼女は辛い目に遭う事を予期していなかった。
 朝だと言うのに怒号が発せられていた。無論予想通り彼女の母親から放たれているモノだ。彼女は其れに驚き完全に覚醒した。そして何気なく時計を見る。八時三分、頭から血の引く音が聞こえたかの様であった。完全に寝坊である。超音速で着替え、台所にダッシュする。少しでもお腹の中に何かを入れておかないと午前中の授業に支障をきたすからである。夜遅くまでパソコンをやっていた報い・・…と言う訳だ。ご飯と味噌汁を口の中に有りっ丈詰め込み玄関に直行する。母親の怒った声が聞こえるがこの際気にしない。歯と顔を洗えないのと髪をセットしていないのが気がかりではあるが三年間無遅刻無欠席無欠課を目指す彼女の前には其の様な事、乱暴に言えば「屁でもない」事である。
 エレベーターのボタンをガシガシ、と押してみるが一番下の階層に居るらしく、ここ七階まで上がってくるには相当時間がかかる様な為、やむなく非常階段を使う事にした。緑色の非常口の電灯が光りコンクリートの空間に栄子の足音が木霊する。息を切らしながらも下に降り駐輪場へ到着した。現在八時十二分、学校の朝の本鈴が鳴るのが八時三十分、学校まで本気で漕いだ場合、十五分で着く。完全にギリギリである。根性を入れる為、歯を食い縛って頬をパンパン、と叩く。そして四の五の言わずMYチャリンコに乗り緊急発進する。そして、時が経つ事数刻。
「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ。」
 私は息を荒らげ学校への坂道を自転車で駆け上っていた。そう、私の通う私立弥永高等学校は入道坂と呼ばれる最悪なトロトロとした只管長い坂道を登りきった所にあるのだ。何でも下の土地より物価が上の土地の方が安かったらしく創設者は通う者の事を考えずハッキリ言ってとっても迷惑な所に学校をおったてたのである。駅から学園までのバスも出ているのではあるが、私の家は私を私立に通わすだけでも倒れそうなので交通費まで出す余裕が有る訳もなく、私は泣き泣きこの長ったらしい道を毎日、毎日、登らなくてはならないのだ。見慣れた、いや、もう見るのも飽きた光景が過ぎ去る中私はせっせと、ペダルを漕ぐ。本当に疲れたのだが、腕時計を見ると針が絶望的な位置を指しているので足を緩める訳にもいかず、逆に加速しなければならなかった。これ以上無いと言う位の勢いで坂を登りきった。校門には私と同じ様に遅刻しそうな生徒達が忙しそうに駆け込んでいる。其の光景はとても滑稽に思えたが、私も傍観者ではなくその状況に置かれた者であり、乱暴に自転車を掛け、何時も忘れそうになるがキチンと鍵を掛ける。校内は土足であり、履き替える必要も見出せない為、駐輪場近くの校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下より突入する。目指すは五階の一番端の教室、歩いていたら辿り着くのに日が暮れる。まずい、そう私は直感し、誰も居ないのを確認して鬼の様な形相で駆け上がる。陸上の記録を軽く凌駕しそうな勢いである。火事場の馬鹿力の様なものかな?と私は思った。ガラガラ、と後ろの扉を開ける。流石に私もしゅう恥心と言うものがありゆったり、と落ち着いて教室に入った。
「栄ちゃん、おはよ〜〜、今日は遅いね〜〜。」
 私が入ってきたのに気付いた友達が数人挨拶をしてきた。
「おはよ〜〜、ちょっと寝坊しちゃって。」
 其れに対し私は苦笑しながら答える。お恥ずかしい限りで。席へとドスン、と荷物を置く。そしたら前の席の生徒が私に話しかけてきた。
「菅原〜〜。優等生のお前が寝坊か?」
 気持ち悪い位ニタニタ顔で朝っぱら私にちょっかいかけてくる、この如何にもスポーツ馬鹿そうな男が山中康介。見た目は、まぁまぁ、女子にも人気がある・・・・・のかな?クラスに一人は居るお笑いキャラの典型。しいて言えば月並みな存在であり、入学式の時出遭って以来何かと私にかまって来る。無論、こいつの言った「優等生」も冗談である。
其れを町外れのジャンク・ショップで見つけた時、全てを悟った。
俺はコレに出会うべきして出会ったのだ、と。
値段は7299円、俺の手持ちは6000円ジャストであったが、数十分に及ぶ交渉の末、半額にまかす事に成功をした。
俺は心の中で小躍りをしつつ、期待に胸を膨らませ家へと急いだのだった。

―――――多重黙示録戦奇譚

1.

ブンッとパソコンのモニターは音を出し起動する。本体は既に起動してあり、其の電力をカットする事は無い。
あるとするれば、スペックの拡張時のみである。
電源を落とすなどと言語道断、地球温暖化が何だ、エネルギー問題が何だ。PCは電源が入りっ放し故にPCである。
手に入れたCD-ROMをDVD-DLIVEに乱暴に突っ込み、インストーラーを起動した。
全画面に拡大され、読みもしない利用規約のWindowが表示される。
当たり前に其れを無視してプロダクトキーを入力し、OKを押す。
デカデカとSoftのタイトルがバックに表示され、インストールが始まる。
『多重黙示録戦奇譚 -天地構築師伝-』
如何にも電波が入っているタイトルではあるものの、其れに俺は魅かれたのだ。
魅惑の魔法にかかった様に手に取り俺は嘗て無いほどの衝撃を与えられた。
パッケージまで制作費が回らなかった様で、真っ白の箱にタイトルが印刷された文字を見ただけでそうなったのだ。
推奨スペック何て表示されておらず、其れどころかメーカー名すら記載されていない。
だが、俺は何の疑いもせず購入した。
インストール、完了。チンケな電子音で其れを警告した。
ダイアログが表示された。

本当に使う覚悟が貴方にはありますか?
はい/いいえ

ここまできてNoとする馬鹿は居まい、すかさず俺はYesへとカーソルを合わしClickした。
この軽率な行動が後に最悪な展開へと向かうとも知らずに。

―――――
何となく書いただけ、続く予定無し、と

定義

2004年10月10日 思想
正義と悪、明確な判断の付け難い属性の一つ
人が求める永遠の課題
正義とは自らの事を指す
最も強力な人を動かす原動力であり、偶像の塊
正義とは全てを許されると言う事
正義と言う名分は絶対的な力であり、如何なる反抗を許さない
神の僕であり、超越者
悪とは世界の敵であり、己の敵
其れは必然的に正義の敵であり、悪として認識される
正義は悪に対し如何なる攻撃を行ったとしても許される免罪符
命と言う概念も与えられず、殺戮の対象
人間にとって都合の良い標的

延命処置

2004年10月8日 思想
全ての宿命を持って生まれ、
世界に期待され、
生き延びた。
全てが俺を責め、
世界に絶望され、
死に絶えた。
馬鹿らしく成る程に、
人間は愚かで、
他力本願で、
全ての業を俺に押し付けて、
とても煩わしくて、
俺は投げ出した、
全ての宿命を、
人々に降り堕ちる災害を、
何もかもを投げ出した、
自分にはもう不要なモノを、
そう、
逃げ出した、
世界の終焉、
俺の死によって。

世界

2004年10月7日 思想
思った、世界と言うモノは思想なんじゃないかと
個が持った世界、幾千と存在し終わり無き程遠くまで続いて
個が滅んだ時に消滅するんじゃないかな
個は幾らでも世界を創れ、個は幾らでも有り続けられる
二次元だって世界だし、次元に分類する事が不可能な心と言う概念も世界なんだ
そう、世界は何処にでも有り触れ、世界は何時でも崩壊しているんだ
俺だって世界を持ってるし、今もこうして創ってる
誰しもが神で、誰しもがそうじゃない
存在する理由は自分にしか分からないじゃないか

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秘

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