レーウィン ルートA 現在篇 第一章 熱き島ラーリス(1)
2005年8月10日 思想伝承大戦が始まる前、レーウィンの中央に位置する島ラーリス、ここは戦神バーシスの眠る聖地。
バーシスとは闇の時代、それも黎明期に発生したアンチ・レーウィンの軍團の総称である。
軍勢にして単一と言う、容が無い其れはレーウィンを大いに苦しめたが、“堕つる連鎖”によって全滅する。
人は其れを敬意し、戦の神と定めた。人間は光にも闇にも属さない中性、いや、混沌である。
どっちの味方をしないかわり、どちらの恩恵も受けない新たな道を進む突然変異体なのだ。
そして、バーシスは画期的な発明を行った。そう、それは“酒”である。
故にこの島はレーウィン一酒場が密集し、ある種の歓楽街を築いている。
よって、この国に来るモノは戦士や傭兵なのどと言った荒れ暮れモノ達、それから観光客である。
それによって盗賊集團も爆発的に発生したが、盗賊ギルドの設立に伴い激減する。
バーシスの歿したとされる日、この地を統治するアードラ=セリウス=クバイセン?世のセリウス城のコロッセウムにて武道会が行われる。
レーウィン中より、腕を鳴らした屈強な戦士達が集まり、お祭りとなるのである。
その中でも初出場にして優勝を狙う若者も居る、しかし、それは珍しい事ではない。
若さ故も自信で、何者も自分には敵わない、自分こそ最強だ、と自惚れたモノ達は大勢居るのだ。
当初は勝ち負けは関係無く、自分の成長を試す、との意味合いであったが、今では富と名声を得る踏み台となっている。
それもその筈、ここで優勝する事が出来れば、家柄等関係無く、騎士になる事が出来るのだから。
そして、この物語の主人公である宿命を背負った二人の若者もまた自分の力を信じて止まないモノの一人である。
ロングソードとショートソードを腰に提げ、何等かの魔術的援護を受けていると思われる年代モノの鎧を着た男と古代魔道関連の書物を紐解けば見る事の出来る“カルーナの杖”を持ち魔術師のローブを着た女が港の方面から、この湯気の立つ街道を歩いてきた。
男の名はザイア=シュギ=ラース、レーウィン人特有の獣遺伝の狼人であるが、性格は至って温厚、戦士として成立つのか疑問視される程である。
だが、狼の血統は伊達ではない、本当に“戦”が始まれば、自らの理性を殺し、狂戦士と化す。
女の名はサリナ=リナース、古き始祖鳥の血族、故に有翼であり、重ねられた年代は魔力を磨き上げられた。
古代兵器である“カルーナの杖”を軽々と使うのは決して遺伝ではなく、涙ぐましい努力の賜物である。
「王の玉の回収か、ヤツの手駒が動いているらしい」
見る者を圧倒する剣幕で、ザイアは言った。
「王の玉、今でこそ失われた智識、二つの王の復活に使われる発動媒介ね」
やはり、此方も苦々しい表情で答えるサリナ、二つの王の復活、それは世界の死を意味する。
二つの王とは二人のレーウィンを指す、彼女と彼はこの惑星の魂其のモノ、目覚めれば惑星は惑星としての機能を失う。
それは絶対に避けなければならない、二つの王は永久に夢の中を彷徨って貰わねば困るのだ。
「ヤツは十年前のアレから懲りていないらしいな」
「今度こそヤツを屠るわよ、アレは絶対に許す事が出来ない」
別の領域から現れた天の十一が一人に滅ぼされる寸前でヤツはレーウィン上で行う事の出来ない筈の単身空間転移を行ったのだ。
天の十一が一人も空間を裂き、続こうとしたがタイムリミットにより元の場所へと戻され、残ったのは子供三人であった。
バーシスとは闇の時代、それも黎明期に発生したアンチ・レーウィンの軍團の総称である。
軍勢にして単一と言う、容が無い其れはレーウィンを大いに苦しめたが、“堕つる連鎖”によって全滅する。
人は其れを敬意し、戦の神と定めた。人間は光にも闇にも属さない中性、いや、混沌である。
どっちの味方をしないかわり、どちらの恩恵も受けない新たな道を進む突然変異体なのだ。
そして、バーシスは画期的な発明を行った。そう、それは“酒”である。
故にこの島はレーウィン一酒場が密集し、ある種の歓楽街を築いている。
よって、この国に来るモノは戦士や傭兵なのどと言った荒れ暮れモノ達、それから観光客である。
それによって盗賊集團も爆発的に発生したが、盗賊ギルドの設立に伴い激減する。
バーシスの歿したとされる日、この地を統治するアードラ=セリウス=クバイセン?世のセリウス城のコロッセウムにて武道会が行われる。
レーウィン中より、腕を鳴らした屈強な戦士達が集まり、お祭りとなるのである。
その中でも初出場にして優勝を狙う若者も居る、しかし、それは珍しい事ではない。
若さ故も自信で、何者も自分には敵わない、自分こそ最強だ、と自惚れたモノ達は大勢居るのだ。
当初は勝ち負けは関係無く、自分の成長を試す、との意味合いであったが、今では富と名声を得る踏み台となっている。
それもその筈、ここで優勝する事が出来れば、家柄等関係無く、騎士になる事が出来るのだから。
そして、この物語の主人公である宿命を背負った二人の若者もまた自分の力を信じて止まないモノの一人である。
ロングソードとショートソードを腰に提げ、何等かの魔術的援護を受けていると思われる年代モノの鎧を着た男と古代魔道関連の書物を紐解けば見る事の出来る“カルーナの杖”を持ち魔術師のローブを着た女が港の方面から、この湯気の立つ街道を歩いてきた。
男の名はザイア=シュギ=ラース、レーウィン人特有の獣遺伝の狼人であるが、性格は至って温厚、戦士として成立つのか疑問視される程である。
だが、狼の血統は伊達ではない、本当に“戦”が始まれば、自らの理性を殺し、狂戦士と化す。
女の名はサリナ=リナース、古き始祖鳥の血族、故に有翼であり、重ねられた年代は魔力を磨き上げられた。
古代兵器である“カルーナの杖”を軽々と使うのは決して遺伝ではなく、涙ぐましい努力の賜物である。
「王の玉の回収か、ヤツの手駒が動いているらしい」
見る者を圧倒する剣幕で、ザイアは言った。
「王の玉、今でこそ失われた智識、二つの王の復活に使われる発動媒介ね」
やはり、此方も苦々しい表情で答えるサリナ、二つの王の復活、それは世界の死を意味する。
二つの王とは二人のレーウィンを指す、彼女と彼はこの惑星の魂其のモノ、目覚めれば惑星は惑星としての機能を失う。
それは絶対に避けなければならない、二つの王は永久に夢の中を彷徨って貰わねば困るのだ。
「ヤツは十年前のアレから懲りていないらしいな」
「今度こそヤツを屠るわよ、アレは絶対に許す事が出来ない」
別の領域から現れた天の十一が一人に滅ぼされる寸前でヤツはレーウィン上で行う事の出来ない筈の単身空間転移を行ったのだ。
天の十一が一人も空間を裂き、続こうとしたがタイムリミットにより元の場所へと戻され、残ったのは子供三人であった。
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