其れを町外れのジャンク・ショップで見つけた時、全てを悟った。
俺はコレに出会うべきして出会ったのだ、と。
値段は7299円、俺の手持ちは6000円ジャストであったが、数十分に及ぶ交渉の末、半額にまかす事に成功をした。
俺は心の中で小躍りをしつつ、期待に胸を膨らませ家へと急いだのだった。

―――――多重黙示録戦奇譚

1.

ブンッとパソコンのモニターは音を出し起動する。本体は既に起動してあり、其の電力をカットする事は無い。
あるとするれば、スペックの拡張時のみである。
電源を落とすなどと言語道断、地球温暖化が何だ、エネルギー問題が何だ。PCは電源が入りっ放し故にPCである。
手に入れたCD-ROMをDVD-DLIVEに乱暴に突っ込み、インストーラーを起動した。
全画面に拡大され、読みもしない利用規約のWindowが表示される。
当たり前に其れを無視してプロダクトキーを入力し、OKを押す。
デカデカとSoftのタイトルがバックに表示され、インストールが始まる。
『多重黙示録戦奇譚 -天地構築師伝-』
如何にも電波が入っているタイトルではあるものの、其れに俺は魅かれたのだ。
魅惑の魔法にかかった様に手に取り俺は嘗て無いほどの衝撃を与えられた。
パッケージまで制作費が回らなかった様で、真っ白の箱にタイトルが印刷された文字を見ただけでそうなったのだ。
推奨スペック何て表示されておらず、其れどころかメーカー名すら記載されていない。
だが、俺は何の疑いもせず購入した。
インストール、完了。チンケな電子音で其れを警告した。
ダイアログが表示された。

本当に使う覚悟が貴方にはありますか?
はい/いいえ

ここまできてNoとする馬鹿は居まい、すかさず俺はYesへとカーソルを合わしClickした。
この軽率な行動が後に最悪な展開へと向かうとも知らずに。

―――――
何となく書いただけ、続く予定無し、と

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秘

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